Roads to Moscow


彼らは夜明け前に国境を越えた
列になり一日中進む
我々の飛行機の殆どが地上で破壊された
我々は森の中に隠れて命令を待っていたが、前線からの命令は来なかった
夜までは砲撃の音は遠く離れていた
我々は闇を静かに移動し木々の間をすり抜けた
敵の列を霧に隠れて匍匐前進で進んだ
僕が今迄見る事が出来たのは
空中の火が赤くなり風の中に煙を映し出していた

夏中、彼らは我々をウクライナへと引き下がらせた
スモレングスとヴィアスマスもすぐに落ちる
我々は秋迄、後続部隊と一緒にオレルの街で立ち止まった
だんだんとモスクワに近づく、鐘の様に風に乗って
グデーリアン将官は丘の頂上に立っている

冬は雨を降らせ、大河の様な泥が道をおおった
彼らの戦車が大地に残した跡を見ながら空には雪が降ってきた
僕が今迄見る事が出来たのは
空中の火が赤くなり風の中に雪を映し出していた

ナポレオンの戦跡を冬の間よろめきながら歩く
モスクワの入り口の前で退き復習者の様に空軍の中に立つ
彼らの戦列の遥か彼方にはパルチザンが森の中にいる
突然、前哨戦に出て来る、まるで約束してた様に
あなたには分からない、あなたには分からない
どちらへ廻れば、何処を見れば、あなたには我々が見えない
我々が夜の暗闇の中をそっと行く時
あなたには分からない、あなたには聞こえない
夜は琥珀の声で歌い夜明けは近づく
朝の道はスターリングラードへと続き、空は静かにハミングする

2台の戦車が壊され彼らの魂は風に夜光りした
我々は最後のアプローチの為に待機した
故郷はもう春になる
戦車の炎がベルリンへの道を照らしてる

我々は迅速に大地に崩れかかった廃墟を通り抜けた
老人や子供達が我々に立ち向かおうとしたけど我々を遅らせる事は出来なかった
僕が今迄見る事が出来たのは
街の眼は開いてて今が夢の終わり

僕は家に帰る、僕は家に帰る
風の香りがするだろう、戦争は終わりなんだ
そして僕は国境を越える時に列車の音を聞く
そして今人々は捕虜として捕まった時の事を僕に聞く
彼らは僕をたった1日だけ捕まえた、ラッキーな休みだったさ、と僕は言う
人々は振り返り近づいて聞く
僕には解らない、僕には解らない
何故僕が戦列から連れて行かれたのか
特別列車に乗りロシアの中心へと旅する
乗り継ぎキャンプは冷たく湿っていて、空気は静かで陰気
10月の薄い太陽が雪がもうすぐやって来ると囁く
僕はいつ帰れるんだろうと考える、朝は答える
「帰れない」
そして夜は溜息をつき鋼鉄のロシアの空は永遠に続く

Past Present & Future 1973